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ぶるとぱの日記

旧山奥で暮らす/バツイチ・孤独な女の生活

記憶のかけら  

足の裏が重く凝っていた。
マッサージを始めたら急に悲しくなった。
涙は堰を切ったように流れ、止まることを知らない。

海外にいた時から自分で髪を切っていたが、夫の髪も私がカットしていた。
二人とも美容室で思い通りにならないし、意思もうまく伝わらないので、
いつの間にか私が切るのが習慣になったのだが、男の髪型は難しいし後片付けも面倒なので、好んで切りたいわけではない。
カットの報酬として足でも揉んでもらわない限りは。
そう、髪を切るだけでなく、足を揉んでもらうのも習慣になってしまった。
記憶なんて油断していると、思いがけない所から飛び出して来るものだね。

もう元夫の事は何とも思っていないし、何の興味もない。
そういう自信が最近はあった。
その存在など、再婚しようが路頭に迷おうが、どうでもいい人間になったはずなのに、なんで足の裏を自分で揉んだだけでこんなに悲しくなるのだろう。

今日は風呂に入る日ではないけれど、入る。
気分が落ち込んでいる時は、入ってもいい事になっている。
蛇口からドドドッと落ちる湯が、無数の気泡を生み出しては消えるのを眺めた。
その泡を見ていたら、久しぶりに泳ぎたくなった。
でももう水着もゴーグルもないか・・・。

湯に浸かっていると、胸から喉の辺りに痞えているもやもやとしたモノを水圧でぎゅっと圧縮してくれるような気がする。お風呂に入っている間は・・・大丈夫だ。
両手でお湯を掬って、涙と汗が混じったものをざぶざぶと洗い流した。

喉が渇いたので、冷蔵庫からグレープフルーツジュースを取り出した。
眼前にあるのは、一旦しまい込んだら最後そのモノの存在を忘れてしまうという、取説にも書かれていない機能を備えた不思議な箱だ。
記憶のかけらなんか、一つ残らずジップロックに詰め込んで、冷凍庫の奥底へ放り込めたらいいのに。
霜だらけで横たわっている魚の切り身のように。
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カテゴリ: 離婚

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Author:ぶるとぱ




yamaokudekurasu
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